※このドキュメントは都合よく現代語訳されています。
六月二十二日 近侍 薬研藤四郎
一昨日からの騒動で察してる奴もいるとは思うが、来週まで大将が忙しい予定。
あくまで予定。
大将にも状況がどう転ぶかわからんらしい。
突然夜出かけて行って朝まで帰らんということもあるが、心配しないように、とのこと。
・日課任務
一昨日、二十日か。就任初日を除いてずっと欠かさず続けてきた日課任務の連続達成記録が途切れた。ということを当の大将が酷く気にしている。この手の記録は一度途切れちまうとその時点で終いだってのはわかるんだが、今回は不可抗力ってもんだろう。
ちなみに今日も朝四時に帰ってきたんだが、呆けた頭で「寝る前に演練……」だのなんだのぶつぶつ言ってる場合は問答無用で布団に押し込んでいい。一旦寝かせて、昼時に演練でも十分に間に合うからな。
・太鼓鐘貞宗について
で。
燭台切はじめ伊達の連中と物吉が騒いでいるが今日ばかりは見逃してやってくれ。
待ち人が来てくれて嬉しいっていうその気持ちは、俺もよくわかる。
・明日のこと
どうやら明日夕刻、またなにやら動きがある模様。大阪城が閉まって一週間は過ぎたが、さすがにまたあそこが開くってことはないだろう。あるとすれば延享の続きか、あとは秘宝の里あたりが怪しいと予想されている。どちらにせよ太鼓鐘の関連だな。
問題は大将が、なぁ。いつものように全力で走られるのも困るが、予定がまったく立てられないってのも困る。俺達としては、いつ何が来ても対応できるよう準備だけは怠るなってとこだな。さすがに帰りが深夜になったら休ませるぞ、そうでなくとも徹夜が続いてんだしな。
……ん? 今日は宴会? ああ、燭台切が張り切ってんのか。気が早いなぁ。
そういうのは迎えてやってからの方が――――迎えたら迎えたで騒ぐのか。なるほど。
ところで太鼓鐘が来たらまたあんたの周りは煩くなりそうだが、そろそろ諦めて馴れ合ってやりゃいいんじゃねぇか?
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